オンライン授業の未来構想計画
- 新型コロナウイルスと学校教育の影響
- 教育現場のICT環境の現状
- ICT整備環境課題とオンライン授業を受ける生徒の悩み(メリット・デメリット)
- 海外では
- 課題解決の対策
- オンライン授業が生む教育格差と未来構想
- まとめ
新型コロナウイルスと学校教育の影響
中国の武漢の都市封鎖から始まりクイーン・エリザベス号の日本騒動と2020年が始まってから前代未聞の新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月2日に全国の小中学校、高校、特別支援学校が臨時休校となった。 その後、4月16日の緊急事態宣言の発令により幼稚園、小中学校、高等学校、特別支援学校、大学、専門学校が臨時休校となった。
教育現場のICT環境の現状
臨時休校時の文部科学省のガイドラインでは、家庭学習において教科書や紙の教材による学習と、オンラインを利用した学習を推奨したが、生徒および学校のICT環境のばらつきにより実際にうまく稼働しなかった。
もともと以前から、教育現場のICT活用やICT教育を政策で重要課題としていて、GIGAスクール構想としてロードマップも出されていた。 しかし、取り組みは本格的ではなく実際に必要になったときには使用できない結果となってしまった。
新型コロナウイルスの影響でオンライン授業を余儀なくされて、危機感をもって現在対応している学校では授業を動画に置き換えて配信したり、デジタル教材の活用が学校・教師の努力によって手探りで進められている。
現在は、パソコンやタブレット端末をひとりひとりに持たせ、通信環境も整えるなどICT環境の整備が課題とされているが、手段が目的化されていて教育の本来の目的に落ち着いて戻れるのは先になりそうです。
ICT整備環境課題とオンライン授業を受ける生徒の悩み(メリット・デメリット)
スタートしたばかりのオンライン授業なので課題は多いが、実施してみてわかったいろいろな課題と悩み・意見の事例をみてみる。
・出された課題の量だけ多くて内容はどうなのか(中高)
・理科・体育の集団競技・美術・音楽・家庭科はどうするのか(中高)
・公立はPC, wifiなどの環境整備はまだまだ(中高)
・目や脳が疲れやすい
・サボるのが簡単(中高)
・通学時間がなくて良い(高大)
・学割auなどデータ通信量の制限に問題が出る(中高大)
・Zoomなどサービス提供者が数社あり、これからどれが主流になるのかが問題
・操作などほとんどわからず親と一緒でないとできないので、家庭の負担が大きい(小)
・子供が三人など多い家族は同じ時間にオンライン授業を受けるのは難しい(小中高)
・教室の移動時間がなく、授業も眠くない(大)
・空きコマの時間が有効に使える(大)
・表情の変化がわかりずらく反応が鈍い(大)
・バトンタッチに時間がかかり対話が遅い(大)
・質問がしづらい(大)
・疲れやすく、集中力が切れやすい(小中高)
・個人同士でのコミュニケーション・相談がしにくい(大)
・友達や周りのコミュニケーションが減り、人間関係が広がらない(大)
・寂しさを感じる(大)
海外では
まず課題が与えられて、小グループでチャットやZOOM、インターネット情報などさまざまなオンラインの手法を使ってチームワークで課題を解決していくのがストーリーである。どちらかというとオンラインでやる事がメインではなく、オンラインをうまく利用して課題をやるのがメインである。 先生の評価も生徒のディスカッションや発言することにポイントを入れているようです。
課題解決の対策
・授業を15〜20分で区切り、途中で10分程度の休憩を入れる
・チャット機能を積極的に活用
・対話の際は2〜4人の小グループにブレイクアウトする
・zoomとYouTubeの合わせるテクニックを利用してzoomの会議室に発表者のみが入りトークして、参加学習者はYouTubeでトークセッションを視聴する。 人数制限を気にしないで、複数人の発表会をすることができ、妨害も入りづらい。
・普段から使用している学校アカウントのTwitterやInstagramのSNSのライブ配信も使い方によっては結構使えます。
・StreamYardのオンライン会議ツールは登壇者・視聴者のメリハリができたり、テロップを出した入りと今までのオンライン会議ツールの課題を改善した機能が多い。
・座学の授業は学校のサーバーやオンラインシステムに動画やスライドをupして自由な時間に視聴して学習。 視聴学習後にチャットで質問・議論すると効率的。
・生徒の性格によるオンライン授業の方法をわける。 きちんとで自立してノートをまとめられる生徒は、上記のストック型の視聴学習で問題がなく好きな時間スケジュールでできる利点もある、行動が大胆で気が散る性格の生徒は双方向型のオンライン授業で対話しながら学習する方がいい。
・オンラインが苦手な先生は、ムリにやるよりアナログでもできることをやる方がいい
オンライン授業が生む教育格差と未来構想
オンライン授業において、感情のやりとりがどうしても問題になってくる。 感情をうまく文章や言葉にして表現・発信できる人にとっては使いやすい道具なのだが、うまく表現・発信できない人にとっては対面のとき以上に受け手にまわってしまいむずかしい点もある。 対面では相手の表情や場の空気などの言語以外の要素でも察知しコミニケーションが行われるが、オンラインでは周りがどうしたいかなど感じられずに話し続ける人はどんどんしゃべり続けてしまう。 コミュニケーションが一方向になりやすいのである。
また生徒のモチベーション・自己管理・心の状態をコーチ・ケアする教育現場の仕事に関してオンライン授業ではどうしても生徒個人の自己管理能力や家庭に大きく影響しばらつきがリアル以上に大きく出てしまう。 平等を求める教育ではその問題点が再検討されることになる。 ただし、平等とは何か?という本質的なことも考えなくてはいけない。
日本のどこの学校でも同じ教科書を使って学習したように、教育委員会や管理団体が基準となる授業を制作・配信しシステムを組み上げて、全国どこにいても上記団体が制作した同じオンライン授業が受けられるようになれば平等であり、先生の負担もすくなくなり生徒のケアやコーチといった方に力を使うことができるメリットがある。
教育現場における格差は今に始まったことではなくもともと偏差値で分けるようにあるものである。 それよりも何を伝え、何を学び、どう成長していくかが大事であると思う。 ICTの活用によって学習スピードが遅い生徒や偏差値が低くなってしまった生徒をどのように学習プログラムを組み進めていけば最終的に良い結果(平等な結果)が生まれるのかを技術や経験値、実施データーなどを全国・世界で積み重ね分析・パーソナライズに改善すれば、それこそ本当の意味の効果的なICT教育が受けられるようになるだろう。
まとめ
教育業界・現場はこれからオンライン授業を含め教育のICT活用は進めなくてはならない課題です。 そのためにはコンテンツのレベルを同水準に引き上げ、環境整備も重要になります。 しかし、手段だけにとらわれず体験やコミュニケーションから生まれる心の成長・人間力をつけることの重要な課題ととらえ対面授業とオンライン授業をうまく複合させた形で進めていくことが大切だと思います。